【特集】韓国復活の兆候ありか?最新の先読み予約動向を分析|INFINI DATA Streamで見る世界 第18回 2022年7月号|特集

written by:株式会社インフィニトラベルインフォメーション 企画部

このコーナーでは弊社のマーケットデータ分析サービス「INFINI DATA Stream」を利用しINFINI上で行われた空席照会数や予約数のデータを分析し様々な角度からご紹介しております。今月も前半部分は直近2022年6月手配分の最新渡航動向をエリア別に記載。後半では好調な動きにより回復が期待される韓国の最新渡航動向を特集しております。

 

目次

  1. 全体の動向(対前年比)
    ✔ ハワイ・ミクロネシア・オセアニアの対前年約600%を筆頭にヨーロッパ、アジア共に対前年400%を超え、北米・中南米も対前年300%超と全エリアの予約数が好調を維持。
  2. 北米・中南米の動向
    ✔ 夏場に向けて空席照会数、予約数共に好調。訪問都市も多岐に拡がってきている。
  3. ヨーロッパの動向
    ✔ 直近の空席照会件数はイギリス、予約数はドイツの伸び有り。
  4. 中東・アフリカの動向
    ✔ 予約数はトルコがトップを維持。イスタンブール経由ヨーロッパ行き等の利用が多いのも要因。
  5. ハワイ・ミクロネシア・オセアニアの動向
    ✔ 空席照会数ではハワイが絶好調であるものの予約数では直近7月出発がオーストラリアが一位となる。
  6. アジアの動向
    ✔ 空席照会数一位は引き続き韓国。加えて台湾の空席照会数も増加。予約数においても韓国の伸びがあり。
  7. 【今月の特集】韓国復活の兆候ありか?
    ✔ 韓国復活の兆候ありか?最新の先読み予約動向を分析
  8. まとめ
  9. INFINI DATA Streamとカスタマイズレポートのご紹介

1.全体の動向(対前年比)

図1:2022年6月の予約取り扱い実績(日本到着を除く/対前年比)

予約はハワイ・ミクロネシア・オセアニアの対前年約600%を筆頭にヨーロッパ、アジア共に対前年400%を超え、もっとも低い北米・中南米でも対前年300%を超えており全てのエリアの予約数が好調です。予約の多い国や訪問時期については各エリアの詳細をご確認下さい。

2. 北米・中南米の動向(除ハワイ)

図2:2022年6月北米・南米エリアの国別出発月別空席照会数

コロナ禍でのトレンドとして翌月、翌々月出発の空席照会や予約が大きく伸びる傾向を何度がお伝えしてきておりますが、今月の北米も同様で7月、8月出発の空席照会数が先月より大きく伸びております。

図3:2022年6月北米・中南米エリアの国別出発月別予約取り扱い数

予約においても直近7月、8月が断トツ突き抜けているアメリカ合衆国です。こちらの都市別は今回も図3aのグラフをご用意しました。ロサンゼルスを筆頭にメインランドの各都市への渡航が多く見られます。

図3a:2022年6月アメリカ合衆国の都市別出発月別予約取り扱い数

3. ヨーロッパの動向

図4:2022年6月ヨーロッパエリアの国別出発月別空席照会数

先月の空席照会では直近及び翌月出発はドイツがイギリスを迎えておりましたが7月出発以降は再びイギリスがトップとなっております。また特筆すべき動きとして翌月、翌々月以降は下がる傾向にあるコロナ禍での渡航トレンドにおいて3か月先の9月も数字を維持しております。これは後述の予約でも同じトレンドです。

図5:2022年6月ヨーロッパエリアの国別出発月別予約取り扱い数

空席照会数と異なり予約数についてや秋までドイツがトップです。渡航詳細では主要都市フランクフルトやミュンヘン行き或いはドイツ国内移動もありますが、ドイツをゲートシティーとして経由し他ヨーロッパ都市へ向かう旅行も多いのが特徴です。そしてグラフをご覧いただきますとお分かりの通り空席照会数と同様に3か月先の9月も予約の伸びが見受けられます。コロナ禍での渡航では出発当月、翌月は数を伸ばすものの3か月目以降の伸びが無いのがこれまでの特徴でしたが、このように3か月後の予約も入ってくる事は渡航者が渡航状況を冷静に見極め少し先の予約を入れだしている可能性も読み取れます。

4. 中東・アフリカの動向

図6:2022年6月中東・アフリカエリアの国別出発月別空席照会数

今月もアラブ首長国連邦、トルコと空席照会照会件数が並んでおりますが、然しながら後述の予約数に比べるとその少なさに気づかれると思います。先月でもお伝えしましたが、最終目的地がヨーロッパ等の他エリアとなっている場合は出発地と最終目的地の組み合わせで空席照会が行われるため、結果的に経由地を含む予約が行われたとしても、経由都市が空席照会のデータには表れない為このような乖離が発生します。

図7:2022年6月中東・アフリカエリアの国別出発月別予約取り扱い数

予約においては直近のトルコの大きな伸びをグラフからも認識頂けると思います。これらの旅程の詳細を分析しますとイスタンブール往復もありますがヨーロッパや中東他都市へのゲートシティーとして多く利用されております。

5. ハワイ・ミクロネシア・オセアニアの動向

図8:2022年6月ハワイ・ミクロ・オセアニアエリアの国別出発月別空席照会数

ハワイ・ミクロネシア・オセアニアについては今回のグラフが一目瞭然の通りほぼハワイで埋め尽くされておりオーストラリアの数を圧倒的に抑えております。直近のハワイに行けるかどうかの問い合わせの多さ(=行きたいマインド)がよく表れております。

図9:2022年6月ハワイ・ミクロ・オセアニアエリアの国別出発月別予約取り扱い数

但し予約数においては直近7月出発がオーストラリアに抜かれるという現象が起きております。空席照会数では絶好調のハワイでしたが、実際の予約に至るかどうかについてはマスコミ報道等とのギャップが感じられます。一方で前述のヨーロッパの動向と同様に9月以降の予約も維持されており、渡航者が渡航状況を冷静に見極め少し先の予約を入れだしている可能性も読み取れます。

6. アジアの動向

図10:2022年6月アジアエリアの国別出発月別空席照会数

先月のレポートでも報告の通り空席照会数の一位に中国を抜いて韓国が躍り出、今月もそのトレンドが続いております。またもう一つのトピックとして台湾が徐々に数を伸ばしてきており秋以降トップになっております。台湾の入国緩和への期待によるものでしょうか?

図11:2022年6月アジアエリアの国別出発月別予約取り扱い数

空席照会で勢いを見せる韓国ですが、実際の予約数も直近7,8月出発は先月より上位に入っており、一般観光ビザ発給の効果もあって実際の渡航に結び付いていると推測できます。韓国については次章の「特集」もご覧ください。

7. 【今月の特集】

韓国復活の兆候ありか?最新の先読み予約動向を分析

先月の特集では「安・近・短」としてコロナ禍前は多くの渡航者が往来していた韓国の復活を探りました。韓国は一般観光ビザ発給解禁を追い風に空席照会数では一位に躍り出てました。そして今月も上述の動向報告の通り韓国の空席照会数の伸びにけん引されて予約数も伸びてきております。今月は更に韓国復活に向けて動向を深堀致しました。

図12:2022年5、6月週次韓国行き予約取り扱い数

上記グラフは2022年5月、6月に操作された韓国行予約数を週次で表しております。 GW明けから徐々に伸び始めて直近も右肩あがりで予約数が大きく伸びております。一般観光ビザを入手し確実に韓国に渡航する旅行者の増加がみてとれます。

図13:2022年6月韓国行き出発月別予約取り扱い

こちらのグラフでは実際に6月以降今後の出発月別予約数を表示しております。 8月出発分までが非常に多く、秋以降は殆ど入っていない状況です。韓国の場合は観光ビザの取得が必要となるため、ビザ取得に合わせて今後も直近の予約が増えてくるものと推察されます。

8. まとめ

先月よりアジアの動きにベクトルを合わせて特集を組んでおります。これまではアジアエリアではベトナム方面の研修生等の往来が主となっておりましたが、先月今月と報告の通り、韓国の一般観光ビザ発給開始が追い風となってアジアにも観光旅行の風が吹き始めた模様です。同じく台湾も秋以降の空席照会件数が増えてきており、台湾入国の緩和に対する旅行者の期待の表れだと思われます。このように渡航動向の敏感な動きを見る度に往来を待ち望んでいる多くの旅行者の心情が伝わって参ります。このような期待がある限り観光業界に身を置く私たちも頑張りたいと思う日々となります。韓国、台湾と徐々に感じるアジア復活の予兆に期待を持ちながら引き続き皆様に動向をお伝えして参ります。

INFINI LOOKUP編集部では記事に関するご意見ご感想を募集しています。また特に本記事においてはこういった切り口の分析が見たい、このポイントを深掘りして欲しい等のご要望をお聞きして記事作成に反映していきたいと考えております。ぜひページ下部の読者アンケートから、ご意見をお寄せください。

過去の記事一覧
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・INFINI DATA Streamで見る世界 第2回【今検索・予約されているのはいつの旅程?】
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9.INFINI DATA Streamとカスタマイズレポートのご紹介

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