このコーナーでは弊社のマーケットデータ分析サービス「INFINI DATA Stream」を利用してINFINI上で行われた検索数や予約数のデータを分析し、色々な角度からご紹介していきます。第6回 2021年4月号では、2021年3月の空席照会・予約データから最新の動向を探っていきたいと思います。
\目次/
- 空席照会数の動向
✔ 全体的には微減(ほぼ維持)
✔ 北米・南米が増加 - 予約取り扱い数の動向
✔ 対前月比150%
✔ インド、中国、アメリカが好調 - 座席供給数と世界のワクチン接種状況
✔ 座席供給数が回復傾向
✔ 世界各国でワクチン接種進む - まとめ
✔ まだ回復が始まったとは言い難い状況
✔ 明るい兆候がいくつか見え始めた - INFINI DATA Streamのご紹介
1.空席照会数の動向
まずは空席照会のデータを見ていきたいと思います。見やすいように2021年1月以降を表示していますので、右4本が3月の実績ということになります。全体的には2月と比べて大きな変動はありません。微減といったところでしょうか。内訳を見ると、これは2月から始まっている傾向ですが、北米・南米の空席照会の割合が増加傾向です。代わりにアジアが少し減っているでしょうか。
次に空席照会の多かった国をランキング形式で見てみたいと思います。アメリカ合衆国が圧倒的に多いですね。カナダも多いので全体の方で北米・南米が伸びていたのも頷けます。それ以外に珍しいところでオーストラリアがTOP10に入って来ています。アメリカ・カナダ・オーストラリアというのは学生の留学・修学旅行の定番国ですので、留学や修学旅行の手配、その手前にある空席照会の動きが始まったものと思われます。それ以外については未だ大きな変化はなかったようです。
次に目的地国別、出発月別の分析です。「4月出発」の「アメリカ合衆国」が最多という結果でした。空席照会の傾向として、当月出発や翌月出発の旅程が多く検索されるのは一般的ではありますが、3月の空席照会では特に4月(翌月)出発の旅程の検索が突出して多かった印象です。
2.予約取り扱い数の動向
予約取り扱い数の動向です。予解約、ではなく予約取り扱い数の動向であることにご留意ください。未だに予約がされてもその後キャンセルされることが多く、上手く分析できないため、キャンセルを加味しない「予約取り扱い」で分析を行っています。空席照会と同様に2021年1月以降のみの表示、右4本が3月の実績です。全体では対前月比150%程度となっています。グラフをパッと見て分かるレベルの増加ですね。内訳では特に北米・南米、アジア地域での取り扱いが増えています。かなり期待を抱かせてくれる結果ですね!1ヶ月通して高い水準を維持していますので、一過性のものではなく今後もこの傾向が続くことを期待したいですね。
次に予約取り扱い数の多かった国のランキングです。先月からの傾向としてインド行き旅程の取り扱い数が増加しており、3月も引き続き取り扱い数が多い状況です。インドへの帰国者の需要が発生しているものと思われます。同様に中国行きも増えていますが、こちらも恐らく帰国者が主と思われます。アジア以外からはニュージーランド、アラブ首長国連邦、ドイツがランクインしています。
4月-6月出発のインド・中国行き旅程が多く取り扱われました。帰国者の需要と思われますので割と近い日付で予約が行われているという事のようです。しかしインドではその後感染が拡大しており、実際の渡航は難しくなっているかもしれません。
こちらのグラフだけ予解約数の分析となっております。3月に行われた予解約を出発月毎にエリアで色付けしてあります。789月出発の旅程ではキャンセルが上回っているエリアが多く、夏のレジャーシーズンに関しては厳しい状況が伺えます。その先の日程では予約が入っているのは先の旅程の仕込みが始まったものと思われます。
3.座席供給数と世界のワクチン接種状況
こちらは今後6か月間の日本発フライトの座席供給数の動向(当社調べ)です。4月以降かなりの勢いで座席供給数は増えていきそうです。あくまでスケジュール情報をベースにしていますので実際にこれだけの座席が供給されるかは変異株の感染拡大状況や、東京オリンピックの状況など、様々な要素に影響されるとは思いますが、期待して見ていきたいところです。
3月末の世界のワクチン接種の状況です。やはり回数で見るとアメリカがダントツですね。アジアからは中国、インドがランクインしています。中国、インド行きの旅程が増えていたのにはこういった背景もあったものと思われます。その他ではやはり英国を始めとしたヨーロッパの国々が多くランクインしています。さらにワクチン接種が進むと海外渡航も活発になって来ることが想定されますので引き続きワクチンの接種状況は注視していきたいと思います。
4.まとめ
帰国者、留学、修学旅行以外の回復についてはまだもう少しかかりそうな状況ですが、座席供給数の回復、ワクチン接種人数の拡大など明るいニュースも聞こえてきました。また、帰国者需要が中心とは思われますが、対前月比150%程度となった予約取り扱い数なども期待をもてそうな兆候です。今後も定期的なデータチェックを行い、最新の状況を捉えていきたいと思います。
INFINI LOOKUP編集部では記事に関するご意見ご感想を募集しています。また特に本記事においてはこういった切り口の分析が見たい、このポイントを深掘りして欲しい等のご要望をお聞きして記事作成に反映していきたいと考えております。ぜひページ下部の読者アンケートから、ご意見をお寄せください。
過去の記事一覧
・INFINI DATA Streamで見る世界 第1回【検索・予約への影響はいつから始まったのか】
・INFINI DATA Streamで見る世界 第2回【今検索・予約されているのはいつの旅程?】
・INFINI DATA Streamで見る世界 第3回【旅行会社カテゴリでの分析】
・INFINI DATA Streamで見る世界 第4回【9~11月の空席照会・予約取り扱い動向】
・INFINI DATA Streamで見る世界 第5回【2020年の振り返りと海外渡航復活のヒント】
5.INFINI DATA Streamのご紹介
マーケティングデータ分析プロダクト。本稿で紹介させていただいたようなINFINIの検索回数、予約数等のデータを様々な角度から分析いただけるツールです。プラットフォームとしてDOMOを利用しており、INFINIのデータを分かりやすく可視化し、お客様のビジネスに直接役立てていただけます。ご興味のある方は担当営業、もしくはINFINI FORESTお問い合わせフォームよりお問い合わせください。
INFINI FOREST商品紹介
INFINI DATA Streamで見る世界 読者アンケート
記事に関するご意見ご感想を募集しています。また、こういった観点での分析も見たい!等のご要望があればこちらからお知らせください。