INFINI DATA Streamで見る世界 第3回【旅行会社カテゴリでの分析】|特集

written by:株式会社インフィニトラベルインフォメーション 企画部

このコーナーでは弊社のマーケットデータ分析サービス「INFINI DATA Stream」を利用してINFINI上で行われた検索数や予約数のデータを分析し、色々な角度からご紹介していきます。第3回は「旅行会社カテゴリでの分析」と題し、旅行会社カテゴリ毎の検索・予約動向を分析していきたいと思います。

1.検索数の動向

図1:2020年4月以降の検索数(日本到着を除く/週次)

まずは4月以降の検索数の推移について見ていきます。前回記事【今検索されているのはいつの旅程?】では4月以降、7月までは回復基調であるとお伝えしましたが、8月はやや低調でした。またエリア毎の比率に大きな変動は見られませんでしたが、若干アジアより欧米の検索数が下がっているようです。

図2:2020年8月に検索された旅程の出発日分析(日本到着除く/月毎)

また前回の観点である「いつの旅程が検索されているか?」の8月分ですが、7月と見比べると翌月出発旅程のグラフが突出して高くなっています。直近の旅程の検索はビジネス需要や本気度の高いレジャー需要が想起されます。インフィニは国際線の取り扱いしかありませんので、Go To トラベルキャンペーンの効果は無いと思われますので、このあたりの数字には期待していきたいところです。しかしホリデーシーズンである12月の検索数が少し目立たなくなっている点は気になります。(下図:昨年8月の検索と見比べてみてください)マーケットは12月のレジャー需要復活にはある程度悲観的な見方をしているようです。

図3:2019年8月に検索された旅程の出発日分析(日本到着除く/月毎)

 

図4:2020年1月に検索された旅程の国分析(日本到着除く/旅行会社カテゴリごと)

次に旅行会社カテゴリごとの到着地の国別割合を見ていきたいと思います。2020年1月に行われた検索では全体的に韓国の割合の高さが目立ちます。その後はタイ、アメリカ、台湾、ベトナムと続いています。こちらを基準に見ていきます。旅行会社カテゴリ別ではWEB系旅行会社では更に韓国の割合が高いのが特徴的です。また業務渡航系旅行会社ではアメリカ、中国の割合が高いのもコロナ前の実情がしっかり反映されているように思います。

図5:2020年8月に検索された旅程の国分析(日本到着除く/月毎)

8月に行われた検索の割合です。WEB系旅行会社での韓国の検索割合が下がり、台湾の割合が増えました。中国も少し増えているでしょうか?やはり新型コロナウイルスの感染拡大が抑えられている国や地域の割合が多くなっている印象です。ホールセラー/リテーラー系の旅行会社でも同様の傾向が見られます。大手系旅行会社ではアメリカの減少が目立ちます。業務渡航系旅行会社では中国の割合が高まっています。ビジネスの世界では中国の存在感が大きくなっているようです。

2.予約数の動向

図6:2020年4月以降の予解約数動向(週次/全体)

まずは予解約全体の動向です。グラフは2020年4月以降の予解約のみ表示しています。それ以前の予解約動向については過去記事をご覧ください。
8月は引き続き予解約トータルではマイナスが継続していますが、予約数と解約数の差はさらに縮まっていることが分かります。

図7:2020年4月以降の到着地エリア別予解約数(週次/日本着除く)

さらに予解約数をエリア別に見てみると、8月後半にアジア地域では予約数の方が多い週が出てきていることが読み取れます。

図8:2020年8月後半の到着地国別予解約数(週次/日本着除く)

この2週間分をさらに国別に見てみると、どうやら予約が多く取られているのはベトナムのようです。その後にフィリピン、中国、インドネシアが続いています。アジア地域全体の予解約数がプラスに転じたというのは嬉しいニュースです。

図9:2020年8月に予約された旅程の出発日分析(日本到着除く/月毎)

次に8月に行われた予約の出発日を見ていきたいと思います。前回記事でご紹介した7月のデータではグアムの取り扱い増についてお知らせしましたが、8月には2021年2月出発、3月出発の取り扱いが多く発生したようです。こちらは調べたところ、マレーシアとアメリカ行きの旅程の取り扱いが主となっていました。検索動向の方でも確認できていましたが、12月出発の取り扱いの低調さは予約の方からも読み取れます。

図10:2020年1月に行われた予約の旅行会社カテゴリ別分析

続いて旅行会社カテゴリ別の動向を探っていきたいと思います。こちらも検索数と同様に2020年1月に行われた予約数を集計して割合を出しています。(割合での比較を行いたいので、予解約ではなく、予約のみの集計となっています、ご留意ください。)
やはりWEB系旅行会社では韓国の取り扱い数が圧倒的です。他のカテゴリでは中国、台湾、フィリピンといった国が人気でした。業務渡航系旅行会社ではアメリカ、中国、ドイツ、シンガポールといった国の取り扱いが多く見られます。

図11:2020年8月に行われた予約の旅行会社カテゴリ別分析

同じグラフで8月の予約について見ていきたいと思います。WEB系旅行会社では韓国の取り扱いが大きく減っていることが分かります。アメリカ、中国の取扱数と大差がないところまで減っている、という印象です。リテーラー/ホールセラー系旅行会社ではベトナム、中国、マレーシア、フィリピンといった国の取り扱いの割合が上がっています。このあたりもコロナウイルスへの対策・警戒状況が色濃く反映されているものと思われます。
業務渡航系旅行会社ではアメリカ、中国の取り扱い数が圧倒的です。中国はともかくアメリカではまだ新規感染者も多く出ている状況ですが取り扱いが増えているのはそれだけ結びつきが強いということでしょうか。

3.まとめ

今回は新たに旅行会社カテゴリ別の割合を分析してみましたが、いかがでしたでしょうか?カテゴリ毎の特徴が見えてきてなかなか面白かったと思います。また検索数、予約数の動向では8月はまだ回復してきたとは言い難い状況ではありますが、一部のエリアでは解約数を上回る予約が入るようになってきたのが印象的でした。ホリデーシーズンの動向については残念ながら動きは鈍いと言わざるを得ませんが、年度末に向けた2~3月出発の旅程の取り扱いには希望を感じます。

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過去の記事一覧
・INFINI DATA Streamで見る世界 第1回【検索・予約への影響はいつから始まったのか】
・INFINI DATA Streamで見る世界 第2回【今検索・予約されているのはいつの旅程?】

4.INFINI DATA Streamのご紹介

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