今後のハワイ上昇傾向と気になるアジア方面回復の兆しは?最新の先読み予約動向を分析|INFINI DATA Streamで見る世界 第17回 2022年6月号|特集

written by:株式会社インフィニトラベルインフォメーション 企画部

このコーナーでは弊社のマーケットデータ分析サービス「INFINI DATA Stream」を利用しINFINI上で行われた空席照会数や予約数のデータを分析し様々な角度からご紹介しております。今月も前半部分は直近2022年5月手配分の最新渡航動向をエリア別に記載。後半の【特集】引き続き好調ハワイの最新動向と今後の復活が気になるアジア方面の最新渡航動向を分析して参ります。

 

目次

  1. 全体の動向(対前年比)
    ✔ 予約は全方面で更に右肩あがりが続いておりヨーロッパに次いでハワイ・オーストラリア・ミクロネシアが北米・中南米を抜く。
  2. 北米・中南米の動向
    ✔ 空席照会、予約数共にアメリカ合衆国が引き続き断トツとなる。ビジネス渡航以外の旅行会社からの予約も増えてきている。
  3. ヨーロッパの動向
    ✔ 空席照会件数、予約数共に直近にドイツの伸び有。取り扱いの主流もビジネス渡航から徐々にレジャー系旅行会社の予約も散見。
  4. 中東・アフリカの動向
    ✔ 6月も引き続き予約数ではトルコがトップを維持。
  5. ハワイ・ミクロネシア・オセアニアの動向
    ✔ 6月以降出発は空席照会件数、予約数共に堂々ハワイが一位。
  6. アジアの動向
    ✔ 圧倒的にトップであった中国を抑え空席照会の一位に韓国が躍進。
  7. 【今月の特集】夏休みレジャー旅行回復の兆しは?
    ✔ 今後のハワイ上昇傾向と気になるアジア方面回復の兆しは?
  8. まとめ
  9. INFINI DATA Streamとカスタマイズレポートのご紹介

1.全体の動向(対前年比)

図1:2022年5月の空席照会実績(日本到着を除く/対前年比)

空席照会数件数ではアジアのみ対前年を超えてますがその他のエリアは全て前年割れを起こしてます。北米・中南米、ヨーロッパ、中東・アフリカ各エリアの落ち込みが大きいですが、こちらは昨年同時期にこれらのエリアの空席照会件数が非常に増えたことから前年比が下がっております。(昨年同時期の動向はアメリカ行きの需要が回復の兆し、2021年5月の海外旅行動向をご覧ください)

図2:2022年5月の予約取り扱い実績(日本到着を除く/対前年比)

予約については全方面で引き続き対前年を大きく上回っております。先月に対前年635%を叩き出したヨーロッパ方面は更に数字を伸ばして700%を超えました。次いでハワイを含むオセアニア、ミクロネシアが672%と続き、最も低いアジア方面でも344%と非常に好調です。アジア方面も少しづつ動き出してきた事を実感します。今月は引き続きハワイとアジア方面を特集しておりますので後述をご覧下さい。

2. 北米・中南米の動向

図3:2022年5月北米・南米エリアの国別出発月別空席照会数

空席照会では今月もアメリカ合衆国が抜きんでている状態です。直近5月、6月はもちろん7月~9月までもグラフが高く推移しております。アメリカ合衆国内の都市別を分析しますと5月~9月まで最も多い都市はニューヨークを抜いてロサンゼルスがトップとなり、次いでニューヨーク、3番目にサンフランシスコとなっております。ニューヨーク以外の訪問都市が確実に拡がって参りました。

図4:2022年5月北米・中南米エリアの国別出発月別予約取り扱い数

予約においても断トツ突き抜けているアメリカ合衆国ですが、空席照会と同じく直近5月以降9月まで多くの予約が入っており、空席照会件数と同じようなベクトルとなっております。こちらの都市別は下記図4aのグラフをご用意しました。直近ではロサンゼルスやシカゴがニューヨークを抑えております。予約においてもニューヨーク以外の都市への訪問が着実に増加しております。

図4a:2022年5月アメリカ合衆国の都市別出発月別予約取り扱い数

3. ヨーロッパの動向

図5:2022年5月ヨーロッパエリアの国別出発月別空席照会数

先月の空席照会同様直近の6月はドイツがイギリスを迎えており、ドイツの直近の強さが見受けられます。ドイツ国内では5月はフランクフルト行きが大半でしたが6月に入るとその他ドイツ国内の都市の検索も増えてきております。

図6:2022年5月ヨーロッパエリアの国別出発月別予約取り扱い数

予約についても直近6月はドイツがトップです。尚、これら渡航の詳細を見てみますと主要都市フランクフルトやミュンヘン行き或いはドイツ国内移動もありますが、ドイツをゲートシティーとして経由し他ヨーロッパ都市へ向かう旅行も多く散見されるようになって参りました。その点ではドイツに限らずヨーロッパ全体の渡航が伸びていると言えます。

4. 中東・アフリカの動向

図7:2022年5月中東・アフリカエリアの国別出発月別空席照会数

上位国のライナップ及び訪問都市は変わらず、特に翌月出発が大きく伸びるトレンドもこの方面の特徴となっております。尚、空席照会と後述の予約グラフを見比べて頂きますと予約数の多いアラブ首長国連邦やトルコの空席照会照会件数の少なさに気づかれると思います。このギャップについて補足しますと、最終目的地がヨーロッパ等の他エリアとなっている場合は出発地と最終目的地の組み合わせで空席照会が行われるため、結果的に経由地を含む予約が行われたとしても、経由都市が空席照会のデータには表れない為このような乖離が発生します。

図8:2022年5月中東・アフリカエリアの国別出発月別予約取り扱い数

先月に続き直近のトルコが伸びており6月もアラブ首長国連邦を迎えてます。また先月と比較しても7月、8月の割合が高くなっております。トルコやアラブ首長国連邦行旅程の詳細を分析しますとイスタンブールやドバイ往復もありますが、特に日本発の場合そのままヨーロッパや中東他都市へのゲートシティーとして多く利用されております。

5. ハワイ・ミクロネシア・オセアニアの動向

図9:2022年5月ハワイ・ミクロ・オセアニアエリアの国別出発月別空席照会数

直近6月はもちろん7月~9月までもハワイについてはグラフで非常に高くなっており、これは他エリアでは見られない状況です。「今年の夏休みはハワイに行きたい」という渡航者マインドによる問い合わせの多さが表れており今後も更に期待できる方面です。

図10:2022年5月ハワイ・ミクロ・オセアニアエリアの国別出発月別予約取り扱い数

6月以降のハワイが一位となっているトレンドは先月と殆ど変わらず予約数も更に伸びております。今月も【特集】でハワイを取り上げておりますので合わせてご覧ください。

6. アジアの動向

図11:2022年5月アジアエリアの国別出発月別空席照会数

アジアエリアの大きな動きとしてはこれまで断トツ中国であった空席照会の一位が当月を含め9月まで一位に韓国が躍り出て参りました。これは韓国の水際対策緩和への期待によるものでしょうか?アジアエリアに動きが出てくる気配を予感させます。 後述の【特集】にてアジアの韓国を取り上げておりますので合わせてご覧ください。

図12:2022年5月アジアエリアの国別出発月別予約取り扱い数

空席照会では勢いを見せた韓国ですが、実際の予約となるとこれまでのトレンド同様にベトナムやインドが上位を占める傾向に未だ変化は見られません。実際の予約に結び付くのはもう少し時間が必要でしょうか?

7. 【今月の特集】今後のハワイ上昇傾向と気になるアジア方面回復の兆しは?

【ハワイについて】

ハワイについては全体の動向にも記載の通りハワイ・ミクロネシア・オセアニアエリアでの予約は対前年672%となり一位のヨーロッパに迫る勢いです。レジャー代表格ハワイの今後の動きを深堀すべく2か月続けて特集でお届けします。

図13:2022年6月、7月、8月出発ハワイ行き旅程の予約月別予約数(含:解約数)
       (青:6月出発、緑:7月出発、オレンジ:8月出発)

図13のグラフでは2021年7月~2022年5月までの予約月別に対象3か月(2022年6月、7月、8月)の予約が「いつ操作されたものか」を示しております。2022年5月操作では更に予約が増加しております。

図14:2022年5月ハワイ単独の今後の出発月別予約取り扱い数

こちらは5月のハワイ単独での出発月別予約取り扱いをグラフで表示しております。ご覧の通り6月から8月までの予約はもちろん多いのですが、秋から年末にかけても非常に多くの予約が入っております。長く待ち焦がれたハワイへ夏場に向かう派、現在の制約が今後緩和されることを期待している秋以降派、年末年始をハワイで過ごす派と、渡航者のマインドは様々ですが、ハワイの揺るがない人気とそれぞれが熟慮して「この時期には行きたい」と予約をされている様子が見て取れます。

【アジアについて】

レジャー代表格のハワイの予約が増える一方、渡航者も我々も待ち焦がれているのがアジア方面の復活では無いでしょうか?今月は「アジア」にて報告の通り韓国の空席照会件数に大きな動きが出て参りましたので、日本から近くコロナ禍前は大勢の日本人が気軽に渡航を楽しんだ「韓国」について直近の動向を探りました。特集の後半はアジア「韓国」を深堀致します。

図15:韓国行き月別空席照会取り扱い数(2021年6月~2022年5月の月別検索数)

図15:のグラフが示している通り直近一年間の出発月別空席照会件数を見てみますと昨年から徐々に増え始めておりましたが12月に一旦落ち(オミクロン株の影響と推察されます)その後再び上がり始め3月以降件数が大幅に伸びているのがお分かりいただけます。空席照会件数の詳細として訪問都市はソウルが圧倒的一位で全体の77%を占めており、次いで釜山16%となっております。また出発地は日本発が全体の93%となっており、多くの日本人又は日本に暮らす韓国人が韓国に旅立てる日を待ち焦がれているマインドを計る結果となっております。

8. まとめ

先月号で「夏休みレジャー回復の兆し」としてレジャー旅行代表格のハワイを特集致しましたが皆様ご興味頂けましたでしょうか?今月は同じ視点で更に最新の動向を計ったところこの流れは更に加速しておりました。近いうちにハワイでバカンスを満喫する多くの渡航者が旅立つでしょう。

そして忘れてはならないのがアジアの復活です。今回はアジアの中で「安・近・短」としてコロナ禍前は多くの渡航者が往来していた韓国の復活を探ってみました。折しも韓国入国に際して一般観光ビザ発給が解禁され大使館に並ぶ多くの渡航者の姿がマスコミでも取り上げられております。「コロナ前は年間に何度も行ってた」「K-POPを聴きに行きたい」「コスメ、グルメを楽しみたい」「韓国に整形に行きたい」等楽しそうに話す渡航者の姿が映し出されており韓国の根強い人気は衰えていないと感じます。また日本でも訪日外国人旅行の受け入れが開始されます。各種制約やクリアしなければならない条件はまだまだありますが、それでも未曽有のコロナ禍で閉鎖された国境が再び開き往来が始まる姿こそ我々が待ち望んでいたものだと強く感じます。

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過去の記事一覧
・INFINI DATA Streamで見る世界 第1回【検索・予約への影響はいつから始まったのか】
・INFINI DATA Streamで見る世界 第2回【今検索・予約されているのはいつの旅程?】
・INFINI DATA Streamで見る世界 第3回【旅行会社カテゴリでの分析】
・INFINI DATA Streamで見る世界 第4回【9~11月の空席照会・予約取り扱い動向】
・INFINI DATA Streamで見る世界 第5回【2020年の振り返りと海外渡航復活のヒント】
・INFINI DATA Streamで見る世界 第6回【2021年4月号】
・INFINI DATA Streamで見る世界 第7回【2021年5月号】
・アメリカ行きの需要が回復の兆し、2021年5月の海外旅行動向【INFINI DATA Streamで見る世界 第8回 2021年6月号】
・ホリデーシーズンへの期待感が高まる、2021年6月の海外旅行動向【INFINI DATA Streamで見る世界 第9回 2021年7月号】
・ワクチン接種証明書運用開始、対象国の動向は?2021年7月の海外旅行動向【INFINI DATA Streamで見る世界 第10回 2021年8月号】
・グアムがワクチン接種証明書の対象に! 2021年8月の海外旅行動向|INFINI DATA Streamで見る世界 第11回 2021年9月号
・予約数は増加傾向!2021年9・10月の海外旅行動向|INFINI DATA Streamで見る世界 第12回 2021年10・11月号
・オミクロン株の影響はどうだったのか?2021年11月の海外旅行動向|INFINI DATA Streamで見る世界 第13回 2021年12月号
・新たな水際対策措置による予約の動向 2022年1・2月の海外旅行動向|INFINI DATA Streamで見る世界 第14回 2022年3月号
・海外旅行復活への期待高まる!水際対策緩和による2022年3月の海外旅行動向|INFINI DATA Streamで見る世界 第15回 2022年4月号
・夏休みレジャー旅行回復の兆しは?最新の先読み予約動向を分析|INFINI DATA Streamで見る世界 第16回 2022年5月号

9.INFINI DATA Streamとカスタマイズレポートのご紹介

マーケティングデータ分析プロダクト。本稿で紹介させていただいたようなINFINIの検索回数、予約数等のデータを様々な角度から分析いただけるツールです。プラットフォームとしてDOMOを利用しており、INFINIのデータを分かりやすく可視化し、お客様のビジネスに直接役立てていただけます。ご興味のある方は担当営業、もしくはINFINI FORESTお問い合わせフォームよりお問い合わせください。 また、INFINI DATA Streamのデータをより一層役立てていただけるよう、個別にリクエストをお伺いし、カスタマイズレポートを作成するサービス※を開始いたしました。こちらもご興味のある方は担当営業、もしくはINFINI FORESTお問い合わせフォームよりお問い合わせください。
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