海外旅行復活への期待高まる!水際対策緩和による2022年3月の海外旅行動向|INFINI DATA Streamで見る世界 第15回 2022年4月号|特集

written by:株式会社インフィニトラベルインフォメーション 企画部

このコーナーでは弊社のマーケットデータ分析サービス「INFINI DATA Stream」を利用してINFINI上で行われた空席照会数や予約数のデータを分析し、色々な角度からご紹介致します。第15回 2022年4月号では2022年3月手配の最新渡航動向に加え、先月に引き続き「新型コロナウィルス感染症に関する新たな水際対策措置」https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2022C018.htmlが適用された国々の空席、予約動向について、この緩和措置が実際の空席照会や予約動向にどのように反映しているかを中心に最新の動向を探って参ります。また報道があった感染症危険情報レベルの引き下げの今後についても考察していきたいと思います。

目次

  1. 全体の動向(対前年比)
    ✔ 予約実績数が大半のエリアで対前年を大きく上回る
  2. 北米・南米の動向
    ✔ 翌月出発のアメリカが引き続き好調
  3. ヨーロッパの動向
    ✔ ヨーロッパの予約実績は対前年300%超え
  4. 中東・アフリカの動向
    ✔ トルコが躍進
  5. オセアニアの動向
    ✔ 唯一前年を割るも好調
  6. アジアの動向
    ✔ 空席照会数はマインドが顕著に表れ、予約実績はベトナムが好調
  7. その他地域の動向
    ✔ メインのグアムにはレジャー回復への期待もあり
  8. 新型コロナウィルス感染症に関する新たな水際対策措置対象国の予約動向
    ✔ 先月に引き続き対象国メッシュで最新の予約動向報告
  9. まとめ
  10. INFINI DATA Streamとカスタマイズレポートのご紹介

1.全体の動向(対前年比)

図1:2022年3月の空席照会実績(日本到着を除く/対前年比)

空席照会については引き続き全方面前年を下回っておりますが、予約実績グラフでは大きな伸びを確認頂けます。空席照会数と予約数のギャップもまだ現状がビジネス渡航中心であることを示す兆候の一つとなります。

図2:2022年3月の予約取り扱い実績(日本到着を除く/対前年比)

予約についてはオセアニアのみ対前年96%となっておりますが、他のエリアは全て対前年を大きく上回っており、特にヨーロッパは対前年319%と大きく伸ばしており水際対策緩和にヨーロッパが多く含まれている影響も大きいと思われます。北米・南米、アジアともに先月同様200%を超える予約となっており、中東・アフリカも200%に迫る勢いです。各エリアの詳細は章の中で分析しております。

2. 北米・南米の動向

図3:2022年3月北米・南米エリアの国別出発月別空席照会数

空席照会数は引き続きアメリカが群を抜いております。またトピックとしては4月出発以降はカナダに次いでペルーが上位に上がってきております。これは出張、帰国手配等が考えられますがいずれにしても移動が活発化している事は間違いありません。

図4:2022年3月北米・南米エリアの国別出発月別予約取り扱い数

予約実績でも4月出発のアメリカが突き抜けているのは水際対策措置緩和以降のトレンドです。渡航の主流はビジネス渡航となっているため間際予約が多いのは変わりませんが、その中身(都市)を探りますと今年7月はホノルルの予約が上位を占めております。待ち焦がれたレジャー渡航への期待の表れでしょうか?

図4a:2022年3月アメリカ合衆国の都市別出発月別予約取り扱い数

3. ヨーロッパの動向

図5:2022年3月ヨーロッパエリアの国別出発月別空席照会数

国のラインナップに大きな変化はありませんが、間際の4月出発の空席照会数は3月出発の倍となっており、長く待たされたビジネス渡航の動き出しが大きく影響しております。

図6:2022年3月ヨーロッパエリアの国別出発月別予約取り扱い数

冒頭記載の通り3月操作において最も予約実績が高かったのがヨーロッパとなります。空席照会数とは国の順位が変わりますが対前年比300%を超える渡航予約が入っております。

4. 中東・アフリカの動向

図7:2022年3月中東・アフリカエリアの国別出発月別空席照会数

アラブ首長国連邦を中心とした伸びは3月操作の空席照会にも表れております。ドバイ万博は3月末で終了しましたが引き続きビジネス渡航の問い合わせが見受けられます。

図8:2022年3月中東・アフリカエリアの国別出発月別予約取り扱い数

冒頭記載の通り予約取り扱い数については対前年190%となっており、大きな回復がこのエリアにも見込めます。3月操作においては4月出発の予約が多く引き続きアラブ首長国連邦がトップで、更にトルコがカタールを抜いたのも特徴的な動きです。

5. オセアニアの動向

図9:2022年3月オセアニアエリアの国別出発月別空席照会数

空席照会数については先月同様3月操作の実績においても翌月4月の実績が非常に伸びております。

図10:2022年3月オセアニアエリアの国別出発月別予約取り扱い数

予約取り扱い数は全方面の中で唯一対前年を割っておりますが、これは昨年同時期に感染状況が落ち着いた事からオーストラリア行きの座席予約がまとめて行われた影響によるものです。それでも94%とほぼイーブンの実績となり4月出発が好調です。

6. アジアの動向

図11:2022年3月アジアエリアの国別出発月別空席照会数

アジアエリアの空席照会数は先月に続き伸びている事はもちろんですが、他エリアとは異なる大きな特徴として空席照会でランクインする都市と予約都市が必ずしも一致してません。具体的には3月操作における4月出発の空席照会では中国、韓国が実際の渡航が多いベトナムを迎えてトップとなっております。渡航制限により実際の渡航は難しいものの、緩和されたら直ぐに動きたいというマインドの表れでしょうか?

図12:2022年3月アジアエリアの国別出発月別予約取り扱い数

予約においては現実的なトレンドとしてインド、ベトナムが上位となっております。尚、インドと中国は予約数と同時に解約数も多い為、予解約数ではベトナム、フィリピンの渡航が上位となります。

7. その他地域の動向

図13:2022年3月その他エリアの国別出発月別空席照会数

その他エリアの空席照会数はほぼグアムである点はこれまでと変わりありません。3月操作では4月出発の問い合わせが多い事からビジネス渡航での需要と推察されます。

図14:2022年3月その他エリアの国別出発月別予約取り扱い数

予約実績数もメインがグアムである事は変わりありませんが、先の予約としては夏休みシーズンの他に11月にも動きが出ております。レジャー渡航再開への期待でしょうか?

8. 新型コロナウィルス感染症に関する新たな水際対策措置対象国の予約動向

図15:新たな水際対策措置対象国の予約取り扱い数(2021年12月~)

水際対策措置対象国の予約取扱数を引き続き3月分も追っていきます。3月取り扱い数予約数全体では週により多少の増減は見受けられますが、0日待機(グラフオレンジ色)又は3日に短縮(グラフ緑色)の比率が増えてきているのがご確認頂けます。この措置が対象国の渡航動向に大きく影響しているのは間違いないでしょう。

検疫所の宿泊施設での待機期間を3日に変更対象国(グラフ緑色で表示)
イタリア、ウズベキスタン、英国、エジプト、スウェーデン、デンマーク、ドイツ、ネパール、ノルウェー、パキスタン、フランス

疫所の宿泊施設での待機を求めない(0日)対象国(グラフオレンジ色で表示)
アイスランド、アイルランド、アルゼンチン、エストニア、オーストラリア全土、オーストリア、オランダ、キプロス、ギリシャ、ジョージア、スペイン、スロバキア、スロベニア、タイ、チェコ、チリ、ハンガリー、フィジー、フィリピン、ブラジル(サンカタリーナ州、バイア州)、仏領レユニオン島、米国全土、ベルギー、ポルトガル、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルーマニア、ルクセンブルク

9.まとめ

先月号よりエリア毎の空席照会動向、予約動向に加えこの水際対策措置対象国の動向をトピックとして分析しており、今月も同じ切り口で分析レポートを作成致しました。このトピックでの予約動向は勿論、その他のエリア(国)においても間際の予約が対前年を大きく伸ばしております。この予約の大半はビジネス渡航、赴任、留学等、レジャー以外の渡航となっており、その特徴から間際の(3月操作では3, 4月出発)予約が多く、5月以降出発の予約動向には未だ目立つ動きが出ておりませんが、今後同様のトレンドを描いていくものと推測しております。また水際対策措置緩和に次いで「感染症危険情報」のレベルが引き下げられれば海外旅行ツアー造成が可能になりレジャー旅行が本格化するものと思われますが、現状ではまだビジネス渡航、帰国者の需要が中心ですので今後に期待したいと思います。観光業界に関わる人間は勿論、何より海外に行きたいお客様が安心して海外旅行を楽しむ時期が早く来ることを心から願っております。引き続き弊社では動向を分析し皆様にお届けして参りますので、これらを参考に来るべき復活の日に備えて頂ければ幸いです。

INFINI LOOKUP編集部では記事に関するご意見ご感想を募集しています。また特に本記事においてはこういった切り口の分析が見たい、このポイントを深掘りして欲しい等のご要望をお聞きして記事作成に反映していきたいと考えております。ぜひページ下部の読者アンケートから、ご意見をお寄せください。

過去の記事一覧
・INFINI DATA Streamで見る世界 第1回【検索・予約への影響はいつから始まったのか】
・INFINI DATA Streamで見る世界 第2回【今検索・予約されているのはいつの旅程?】
・INFINI DATA Streamで見る世界 第3回【旅行会社カテゴリでの分析】
・INFINI DATA Streamで見る世界 第4回【9~11月の空席照会・予約取り扱い動向】
・INFINI DATA Streamで見る世界 第5回【2020年の振り返りと海外渡航復活のヒント】
・INFINI DATA Streamで見る世界 第6回【2021年4月号】
・INFINI DATA Streamで見る世界 第7回【2021年5月号】
・アメリカ行きの需要が回復の兆し、2021年5月の海外旅行動向【INFINI DATA Streamで見る世界 第8回 2021年6月号】
・ホリデーシーズンへの期待感が高まる、2021年6月の海外旅行動向【INFINI DATA Streamで見る世界 第9回 2021年7月号】
・ワクチン接種証明書運用開始、対象国の動向は?2021年7月の海外旅行動向【INFINI DATA Streamで見る世界 第10回 2021年8月号】
・グアムがワクチン接種証明書の対象に! 2021年8月の海外旅行動向|INFINI DATA Streamで見る世界 第11回 2021年9月号
・予約数は増加傾向!2021年9・10月の海外旅行動向|INFINI DATA Streamで見る世界 第12回 2021年10・11月号
・オミクロン株の影響はどうだったのか?2021年11月の海外旅行動向|INFINI DATA Streamで見る世界 第13回 2021年12月号
・新たな水際対策措置による予約の動向 2022年1・2月の海外旅行動向|INFINI DATA Streamで見る世界 第14回 2022年3月号

 

10.INFINI DATA Streamとカスタマイズレポートのご紹介

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