パッケージツアーの造成・販売はどうなる？コロナ後の海外旅行予測｜製品・機能

作成日：2020/8/5 written by：INFINI LOOKUP編集部

新型コロナウイルス

旅行インフラが整い、個人でも安く航空券が手に入るようになったことにより、急速に個人旅行（以降、FIT）化が進む中、パッケージツアーの需要が低下している印象をお持ちの方も多くいらっしゃると思います。しかし昨年のJTB総合研究所の調査によると、2018年に海外旅行へ行った旅行者の実に半数を超える約53％もの旅行者が海外旅行の際にパッケージツアーを利用しており、旅行者側の需要は健在です。大手旅行会社をはじめ、パッケージツアーの造成・販売を本業にしている旅行会社さんも多く、需給のバランスは取れていたのではないかと思います。現在は新型コロナウイルス感染拡大により旅行が控えられている状況ですが、新型コロナウイルス感染症が収束した後（以降、コロナ後）にも、パッケージツアーの造成・販売を続ける為には公示運賃（以降、PEX運賃）対応やさらなる業務効率化など、課題が山積しています。今回の記事が、コロナ後のパッケージツアー造成・販売に向けた予測や課題解決のヒントになれば幸いです。

＼CONTENTS／

今後のツアー市場予測
市場の変化に対応するためにできること
コロナ後の変化に対応するため、ツアー造成・販売体制を強化

１.今後のツアー市場予測

コロナ後の海外旅行の全体予測は？

新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は凄まじく、2020年の総座席供給量は前年と比べ40%程度まで落ち込むという予測がされています。国際航空運送協会(IATA)は国際線の総座席供給量が2019年レベルに戻るのは2024年と予測しており、「新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する以前の需要に回復するのには3年以上かかる」という見方が大勢を占めています。
出典：https://www.travelvoice.jp/20200609-146345

海外旅行のツアー市場に変化をもたらす3つの現象とは？

オンライン購入割合の増加
新型コロナウイルス感染症の拡大が深刻化する渦中における、外出自粛の影響により今までオンラインショッピングの経験がなかった人にも急速に（半強制的に）オンラインショッピングの利用が広がりました。今はまだ旅行商品の販売が回復したとは言い難く、この影響は見えてきていませんが、全ての層でオンラインショッピングの経験が広がったことは今後、旅行商品のオンライン販売へも例外なく影響し、オンライン購入の割合が増加すると考えられます。
グループ型ツアーや団体旅行の需要回復と課題
安心、安全を求める消費者の多くがグループ型ツアーや大規模な団体旅行を避けるため、FITや小規模団体の需要が先行して回復すると予想されます。恐らく来年以降になるとは思いますが、新しい生活様式、ニューノーマルに対応したツアー造成が課題になってくるのではないでしょうか。
航空会社の販売方針の変化
航空需要の回復と各航空会社の供給座席数の回復は緩やかに推移することが予想されています。また、各航空会社が旅程の変更等の予約ポリシーを柔軟化し始めており、これが多くの乗客を引き付けることになりそうです。このことから団体旅行向けのIT運賃の座席供給は絞られ、FITをターゲットにしたPEX運賃の販売の割合が今後増加することにつながると考えられます。

２.市場の変化に対応するためにできること

パッケージツアーのオンライン化とPEX運賃化

上述の通り、コロナ後の海外旅行市場ではオンラインでのFIT向けパッケージツアー販売の割合が増えることが予想されます。また、PEX運賃化の流れはさらに加速することと思われます。この2つの流れをうまく混在させ、活用する技術を作り上げていくことが必要になってきます。

FIT向けパッケージの問題点と解決策
PEX運賃化の流れが加速することにより、パッケージツアーに利用していたIT運賃在庫の仕入れは今後さらに難しくなり、PEX運賃を利用したパッケージツアー造成・販売が行える体制が整っているかが重要になってきます。
PEX運賃を利用したパッケージツアー造成・販売の問題点と解決法
PEX運賃をベースにパッケージツアーを造成・販売する際には従来のIT運賃よりも複雑なPEX運賃の料金体系・運賃ルール設定を理解し、且つ旅行業約款に則りPEX運賃利用の文言記載や払戻料金も明示する必要があります。