【ホノルルがトップ!】 年末年始の人気渡航先、2020-2021年検索・予約データから海外渡航需要の見込みを分析|特集

written by:株式会社インフィニトラベルインフォメーション 企画部

世界中を震撼させている新型コロナウイルス感染症流行に伴うロックダウンや出入国制限により観光産業は未曾有の危機を迎えていますが、ワクチンの普及と共に一部地域の入国制限緩和等、徐々に海外渡航再開に向けた動きが発生しております。本レポートでは独自のマーケットデータ分析用ツール「INFINI DATA Stream」を用い、コロナ禍当初から現在までの状況を空席照会数、予約取り扱い数を基にした実績ベースで分析し、2020年の振り返り及びこの先の海外渡航需要動向を分析しております。

 

第1章 空席照会・予約傾向から見る2020年の振り返り

コロナ禍の影響はいつから始まったか

  • 12月31日

    中国武漢市における原因不明の肺炎の集団感染としてWHOに初めての報告

  • 1月7日

    原因が新型コロナウイルスであることが確認される

  • 1月9日

    最初の死者が確認される

  • 1月16日

    日本における最初の感染者を確認

  • 1月20日

    ヒトーヒト感染が確認されたことが発表される

  • 1月23日

    武漢市が人の出入りの制限を始める

  • 1月27日

    中国へ発着する航空便の約9%が運航を停止

  • 2月1日

    「ダイヤモンドプリンセス」から香港で1月25日に下船した男性の感染を確認

  • 2月5日

    日本政府の指示により「ダイヤモンドプリンセス」大黒埠頭沖で隔離開始

  • 2月13日

    日本で最初の新型肺炎による死亡者を確認

  • 2月14日~

    世界各国で感染者を確認

  • 3月11日

    WHOが世界各地での流行をパンデミック相当との見解を示される

  • 3月16日

    中国共産党は支援の医療従事者を湖北省から徐々に撤退させる方針、武漢市内にあった16の臨時病院を10日までに休業

  • 3月19日

    イタリアの死亡者数が中国を上回り、世界最多に

  • 3月26日

    アメリカの感染者数が中国、イタリアを上回り、世界最多に

  • 4月7日

    日本、一部の区域において緊急事態宣言を発出

  • 4月16日

    日本、緊急事態宣言の対象区域を全国へ拡大

  • 4月18日

    日本での感染者が1万人、死者数は200人を超える

上記の流れに弊社ビッグデータを重ねると中国を中心としたアジア地域の空席照会数は2020年1月最終週から若干の影響が見受けられ、2月に入ると目に見えた形で減少。2月下旬になるとアジア地域以外でも検索数が減り始め、4月に入ると通常期の1/7~1/9程度まで落ち込んでいた。

図01:2020年1月-4月に検索された空席照会数推移を週次報告【対象:アジア地域】
図02: 2020年1月-4月に検索された空席照会数推移(週次)【対象:アジア地域以外】

予解約動向はアジア地域では1月下旬から大きく影響を受け始め、2月中旬~下旬にはアジア地域以外もキャンセルが始まっている。しかしキャンセル数が予約数を上回るのはアジア地域で2月下旬、それ以外の地域では3月上旬であった為、この時期はまだ渡航予定者が先の日付の予約は状況を見極めようとしていたことを示唆している。

図03: 2020年1月-4月に予約された取り扱い数推移(週次)【対象エリア:アジア地域】
図04: 2020年1月-4月に予約された取り扱い数推移(週次)【対象エリア:アジア地域以外】

5月、6月に見られた夏休みと年末年始への期待感

2020年5月に入ると全体の空席照会検索数は下げ止まり、翌々月にあたる7月出発の旅程の空席が数多く検索されている。背景として日本国内では感染者が減少し、緊急事態宣言が解除されたことで、コロナ感染症の収束と夏休み旅行に向けての期待感が高まったことがあげられる。同様に12月出発旅程の空席照会数も多く検索されレジャー回復への期待の高さがうかがえた。しかし当月(5月)出発旅程の空席照会検索数は低調であり、すぐに海外渡航出来る状況に無かったことが読み取れる。空席照会検索数と予約数を見比べると海外渡航回復に備えて先の日付の空席は確認するものの、予約はギリギリまでホールドし出発日に近くなると順次キャンセルする傾向が続き「すぐには行けないが海外渡航回復への期待は高い」という渡航者の意識がそのまま動向となって表れていた。

図05: 2020年5月に検索された出発月別空席照会数推移【対象エリア:全て】

潮目が変わった7月

前章で記載の通り、夏休みへの期待を反映して空席照会検索数・予約数共に回復基調にあったが、2021年7月になると日本国内はもとより海外のコロナ感染症が再拡大し、旅行者の意識が変わり始め国内旅行に多くの目が向けられた。それを反映し8月はやや低調、その後も空席照会数は下がり続け、11月の初旬には底を打ったと思われていた2020年4月の水準を下回った。旅行業界を取り巻く厳しい状況が伺え「7月に潮目が変わった」とのコメントが多数聞かれた。
図は9月時点での空席照会データとなっているが直近の10月は伸びており間際に動くビジネス需要の強さは感じられるものの、これまでであれば年末年始に向けて空席照会検索数、予約数共に一番伸びる時期であったが12月出発旅程が全く伸びておらずホリデーシーズンの低調が際立っている。

図06: 2020年9月に検索された出発月別空席照会数推移【対象エリア:全て】
図07: 2020年9月に予約された出発月別予約数推移【対象エリア:全て】

10月~年末は最も厳しい時期であった

2020年10月に入ると空席照会検索数、予約数共に減少傾向が更に顕著となり回復が見込めぬ状況が続く中で、旅行業界全体も業務縮小や他業種への転換といった話題も聞こえ始めた時期であった。国内感染者数は下がらず、11月に入ると第3波と呼ばれる感染者数の更なる増加が始まった。それら影響を受け11月以降は空席照会検索数も下降の一途をたどっている。唯一の明るい材料として海外からワクチンの製造開始に関するニュースが多くなってきた時期であったが、空席照会検索数が増加に転じる程ではなくコロナ感染症と共に過ごす厳しい時期となった。予約動向ではこれまで保持されていた先の日付の予約がキャンセルされ尽くした時期である。

図08: 2020年7月-12月に検索された空席照会数推移(週次)【対象エリア:全て】
図9: 2020年7月-12月に予約された予約数推移(週次)【対象エリア:全て】

 

第2章へ続く

 

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INFINI DATA Streamのご紹介

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