使い勝手を検証!インドネシアで配車アプリを使ってみた|旅行記

written by:ガルーダ・インドネシア航空

数年前に日経新聞やビジネス誌で取り上げられることが多かった東南アジアの「配車アプリ」。今や日本でもタクシーを呼ぶアプリ「GO」や「Uber」がよく使われるようになりました。

こうしたアプリが早くから使われているインドネシアでは、通常のタクシー配車のみならず一般ドライバーが自家用車に人を乗せて運ぶサービス,バイクに2人乗りするバイクタクシーサービスなど多様なサービスが利用可能です。

行きたい場所があってもドライバーにどう説明をしていいかわからなかったり、運賃がどれだけかかるのかが心配だったりするときに、アプリが使いこなせたら行動範囲も広がりますよね。
今回は大手タクシー会社の配車アプリと、東南アジア全域でシェアが高い Grab という2つのアプリの使い勝手を、実際にインドネシアで使ってみました。

なお、使った感想として「タクシー会社アプリのほうが初めてでも使いやすかった」ということで、そちらの記事が多くなっていますが決して記事広告ではありません。念のため、先に記しておきます。

 

 

1. 安心して乗車できる大手のブルーバード

インドネシアにも複数のタクシー会社がありますが、残念ながらすべてが安心して使えるわけではなく、法外な料金を請求するドライバーが多いようなタクシー会社もあります。そんな中、最大手でありジャカルタ,バリ島,スラバヤといった主要都市で利用しやすいのが「ブルーバード」。メタリックブルーの車体が特徴のタクシー会社です。

ちなみにブルーバードタクシーには、高級車を使用するブランド「シルバーバード」「ゴールデンバード」といったものもあり、ランクによって料金が高くなります。

このブルーバードグループのタクシー配車アプリが「My Bluebird」。AppStore / Google Play からダウンロードし、スマートフォンの電話番号を入力します。これは日本の携帯電話番号でも登録できます。
初回はOTP(ワンタイムパスワード)がSMSで送信されるので、アカウント作成をします。以前にその番号を画面の案内にそってアカウント登録をします。アカウントが存在する場合には、スマートフォンの電話番号に続いてパスワードを入力し、ログインします。

初期画面では自分が立っている場所が ◎ で地図上に表示され、おおまかな住所が表示されます。周辺に空車が要る場合にはその車両も同時に表示されます。

GPSの位置情報が若干ずれる場合や「いまはホテルの客室だけれどエントランスに配車してほしい」という場合は、Pickupというところをタップし、ホテル名や住所を文字入力するか [Set on Map] をタップして地図上で配車地点を選びます。

同様に目的地も Destination のところに、主要な建物名(ホテル名,ショッピングモール名,店舗名など)を入力して表示される候補から選ぶか [Set on Map] で目的地を選択します。

ここではジャカルタ中心部のホテル ホリデイイン エクスプレス ジャカルタ タムリン から スカルノハッタ国際空港を選んだ例ですが、このような表示になります。この入力ができたら [NEXT] をタップします。

乗車地から降車地の経路と、車両の選択肢と配車までの予想時間が表示されます。
中型車(3人乗り)のブルーバード,大型車(6人乗り)のブルーバードバンなどがあります。
また、より高級な車種を使う シルバーバードやゴールデンバードも配車可能ですが、車種によっては待ち時間が長い場合もあるので要注意です。

表示されている金額は 1000ルピア単位なので、たとえば Rp155K-Rp186K (155000ルピア~186000ルピア)が予想ですが、メーター次第です。
当然ですが、混雑が予想される時間帯には道路状況により上限金額を超える場合もあります。
こういう時に便利なのが [Switch to Fixed Price> ] です。

代替テキスト
代替テキスト

これに切り替えたうえで 車種を選択すると「固定金額」になります。
渋滞がなく到着しても、渋滞に遭って時間がかかっても、この金額を支払うことになります。
道路混雑が見込まれる時には、こちらを選択するほうがトクな場合もあります。
選ぶならスマホの地図アプリで渋滞情報を見ながら…でしょうか。

ここでは [Metered Price] に戻って [Continue] をタップしてみます。

そうすると配車実施前の確認画面が表示されます。
ホテルのエントランスがいくつもある場合や、細い路地の奥など、運転手がたどりつきにくい場合などには「Pickup instructions」に説明を入力してあげると待ち合わせがしやすいですが通常は不要です。

[Confirm Bluebird] をタップすると配車が始まり、車両が決まると車両番号(アルファベット2ケタ+数字3ケタ)/ 運転手の顔写真と名前 / 現在の走行位置が表示されます。
クルマが到着したら、ドア横に書いてある車両番号で自分の迎えのクルマかどうかを見分けて乗り込みます。
運転手さんもアプリに登録がある自分のニックネーム(たとえば私の場合は YOSSY)で「YOSSY?」と呼び掛けて確認し、誤乗車がないようにしてくれます。

あとは到着地までの間、道を指図することもなく車内でのんびりでき、気を遣わないのでラクラク。

※ここではクレジットカード VISA が表示されていますが、カード登録(後述)がされていない場合はこの表示はなく、降車時に現金で支払います。
※有料道路代は含まれていないので、使用する場合には所定の金額(メーター表示 または アプリ表示のfixed price)に加えて別途支払いが必要です。

また [Schedule] をタップすると配車予約ができるので、稼働タクシーが少ない早朝や深夜に利用した場合は、ここから予約ができるので安心です。

 

2. クレジットカード払いを事前登録すると、さらに便利に!

さて、到着をしてルピアで払うにしても、ケタ数が多くてわかりにくいこともしばしば。
また到着後に急いで降りて目的の場所へ向かいたい場合は、支払いの時間すらじれったいこともあります。

こういう時のためにクレジットカードを事前に登録し、降車時にキャッシュレスにする方法があります。

初期画面で左上の三本線をタップするとメニューが表示されるので [Payment] を選び、画面下の [Add Payment] をタップします。
そののち [Credit Card] を選んでカード番号と有効期限,セキュリティコードを入力します。
登録が完了するとカード番号が表示され、登録完了した旨のメール(インドネシア語ですが…)がアカウントに紐づいたメールアドレスあてに届きます。

キャッシュレス支払いをする場合は、配車完了とともに画面右上に PASSCODE というものが数字2ケタで表示されます。
これが運転手との『合言葉』になります。
乗ったらすぐに、このパスコードを「パスコード!」と言いながら示せば、運転手がメーターに入力すると支払い登録が完了します。
(降車時ではなく、乗車時というのがポイント)

これをすることで、誤った乗客のアカウントに請求がされることを防いでいます。

タクシー配車を頼みたいときには、時間がなく焦っているような場合も少なくありません。
この場合にはメニューの [Favorite Place] に事前に場所を登録しておくことで、配車依頼画面で地点を選ぶだけにできるので、より手軽に利用できます。

 

3. ブルーバード Metered Price と Fixed Price の使い分けポイント

記事冒頭で書いたように、ブルーバードの Metered Price と Fixed Price の使い分けは、渋滞が見込まれるなど「金額が変動しやすい」場合が主なポイントです。 しかし現地で使用した結果、もうひとつ Fixed Price が使えるタイミングがありました。
それは「クルマが簡単に来ない場所に来てほしい場合」です。

バリ島の人気リゾート「AYANA Resort and Spa BALI」から空港近くでデイユースし、フライトの待ち時間を過ごすために取ったホテルへの移動で、配車依頼をしようとしました。

ジンバランエリアは繁華街から離れている閑静な場所で、バリ島内でもタクシーがあまり来ないエリア(専用車での往来が基本)なのですが Metered Price では配車依頼に応答してくれるクルマがなく、しぶしぶ Fixed Price にしたところ、ほどなく応答があって来てくれた…ということがありました。(つまり本来の売り上げより多い売り上げが見込まれるから行ってあげてもいいよ、ということだと思われます) こういう使い分けもできそうです。

 

4. Grabも同様に使えます

タクシーではなく、一般の人が自家用車で目的地に連れて行ってくれるのが Grab。
こちらも使い方は基本的に同様で、車両番号の代わりにクルマのナンバープレートとドライバーの顔写真,氏名 がアプリに表示されます。

Grab はクルマの配車以外にも、バイクタクシー(バイク2人乗り)や出前の配達,買い物代行などサービスが多岐にわたるのでメニュー画面が若干見づらいことや、日本の携帯電話番号で登録がしにくいこと,配車依頼時に目的地を先に入力する点が異なるなど My Bluebird と若干の差異があります。

 

5. My Bluebird/Grab の使い分けは?

どちらも同じような機能で使える2つの配車アプリ。
実際に使ってみて、どのように使い分けたらよかったか…という点です。

[My Bluebird がおすすめの場合]
・いくらナンバープレートや運転手の氏名,顔写真が分かっていて、いつでも緊急事態の通報がアプリでできるとはいえ、一般のクルマに乗るのは抵抗がある場合
→ やはり大手タクシー会社のクルマに乗る安心感は大きいですね

・車種の指定をしたい場合
→ Grabも大型車がありますが、台数が少なめです。乗車人数が多い場合や荷物が多い場合などに確実に大型車を呼びたい場合や高級車を手配したい場合は My Bluebird のほうが確実に指定できます。

[Grab がおすすめの場合]
・短距離で乗りたい場合
→ 短距離(歩くと遠いが暑いしちょっと乗りたい/傘がないときに雨が降ってきたのでちょっと乗りたい など)の場合、My Bluebird では(特に Metered Priceでは)どのクルマも応答してくれない場合があります。
例として、スカルノ・ハッタ国際空港駅(エアポートリンク鉄道駅)から Garuda City (ガルーダ・インドネシア航空本社)までの、800mほどの距離で Bluebird を呼ぼうとしたところ、5分待っても応答するクルマがありませんでした。 ジャカルタ在住の日本人の方から「その場所と距離ならGrabのほうがいい」と聞いていたので、Grabで配車依頼をしたところ、応答まで30秒/配車まで2分少々でした。

・運賃を節約したい場合
→ タクシーである Bluebird に比べ、やや安い印象があります

・混雑した地点から乗る場合で、GrabのPickupポイントがある場合
→ スカルノハッタ国際空港は、ターミナルに隣接した駐車場棟の1階などに Grab のPickupポイントがあり、Grabの案内スタッフも待機しています。周囲にクルマが多く、乗るべきクルマを見つけにくい場合に近くにPickupポイントがあれば、そこを指定して乗車が確実にできるので便利です。

 

それぞれ長所・短所がある配車アプリ。
ジャカルタでもバリ島でもうまく使いこなして、インドネシア語を話せなくとも手軽に移動ができる点は活用度が高いもの。訪れた際には是非使ってみて、快適な滞在をお過ごしください。