【見どころ盛りだくさん!】知られざる秘境・ミクロネシア連邦|旅行記

written by:クラブツーリズム株式会社 銀座ロイヤル・グランステージ 深沢様
アイランドホッパーから見た美しい環礁

「ミクロネシア」 という単語を聞くと、なんとなく「南の方の小さな島々かな」とイメージされるかもしれません。確かに「ミクロネシア」という呼称は、グアムやサイパンといった日本でも馴染み深いビーチリゾートなどを含む、太平洋の広大な地域を指す言葉ですが、実はこの中に「ミクロネシア連邦」という名称の独立国家があります。今回は、謎の古代遺跡に、太平洋戦争の爪痕を現代に残す戦跡など、見所が盛りだくさんの知られざる秘境・ミクロネシア連邦をご紹介いたします。

ミクロネシア連邦はどこにある?

ミクロネシア連邦は、東西に約3,200km、南北に約1,200kmに渡る広域に点在している島嶼国家です。世界地図でグアムとハワイを結んだ線の、やや南に点在する島々、と考えればイメージしやすいでしょうか。日本からはグアムにて航空便を乗り継ぎ、グアム~ハワイ(ホノルル)間の島々を点々と経由していくユナイテッド航空の「アイランドホッパー」便にて各島へ渡ることとなります(ヤップ州を除く)。

ユナイテッド航空のアイランドホッパー便

謎の水上都市遺跡・ナンマトル

2021年現在、ミクロネシア連邦で唯一ユネスコ世界遺産に登録されている場所が都市遺跡ナンマトルです。西暦500年から1500年頃にかけて築かれたとされるこの遺跡は、もともと何もなかった遠浅の海に、総重量約50万トンとも言われる玄武岩やサンゴを積み上げて作った人工島で形成されていますが、当時この地で栄えていた文明は文字を持たなかったため、誰が何の目的で築いたか、さらに、車輪や滑車などを持たなかった文明が、どのような方法でこの途方もない量の巨石を運び・積み上げたか、など、解明されていない謎が多く残されています。

遺跡の中心部・王墓ナンドワース
幾重にも渡る防波堤の遺構

私がこの地を訪れたときは、深く生い茂るジャングルを抜け、いくつもの小さな水路を渡った先に忽然と現れた巨石の遺構に、ただただ圧倒されてしまいました。世界中を見渡せば、山やジャングルの中、また草原にある遺跡はたくさんありますが、「太平洋を背後に水路で囲われた遺跡」というのは、世界広しと言えどこの場所にしか存在せず、さながら水上に浮かんでいるかのような都市遺構には「洋上のマチュピチュ」という印象を受けました。ナンマトルはその大部分が植物による侵食を受けており、その姿は人々に忘れられた古代文明の栄華を現代にたたえています。

植物に飲み込まれた遺跡群

チューク環礁の戦跡

第一次世界大戦の戦後処理により、日本の委任統治領となったミクロネシア地域。隣国のパラオなどと同様に、現ミクロネシア連邦の各島にも多くの日本人が移住し、中でもチューク環礁においては大規模な日本人街が作られました。時は流れ、太平洋戦争を迎えた時代。環礁が天然の要塞となることから、この地は戦線の重要な基地となり、海軍や陸軍が多く駐留することとなります。日本の敗戦後、アメリカ軍により当時の施設の大部分は破壊されてしまい、現在では建物として残っている施設はかなり少ないものの、病院や学校、また砲台跡や戦艦『武蔵』が係留されていたブイなどが今でも残されています。

戦艦武蔵の係留ブイ
日本統治時代の気象観測所
ポンペイ島に残された旧日本軍の戦車

戦争そのものは悲しい歴史ではありますが、ミクロネシア連邦は南洋諸国における当時の日本の存在感や、戦争の激しさを知ることが出来る貴重な場所であり、一度は訪れたいところです。

ミクロネシア連邦の文化

ミクロネシア連邦は各島や州による文化の違いがとても大きいですが、宗教は総じてキリスト教の信仰が強く、さらに現代でも土着信仰が色濃く残っています。また、議会民主制の政治体制を採っている一方で、例えばナンマトルのあるポンペイ州の地方では伝統的な酋長「ナンマルキ」の権力が非常に強く、日本人の私たちからすると、ちょっと驚くような慣習を目にすることも多いです。

ドイツ統治時代の大鐘楼跡

現地の方が使っている言葉に目を向けると、「ガッコー」(学校)や「センセイ」(先生)、「ゾーリ」(草履)など日本語を元にした単語が現代に至るまで多く使われ、日系移民の祖先の方も多いことから、日本人由来の名前も多く耳にします。市場へ行くと、日本でも見られるようなお馴染みの食材から奇妙な形をしたものまで、青果物や海産物が所狭しと並べられています。料理は、と言うと、日本や中国などの影響もあって、マグロやサーモンの刺身や中華風の味付けの炒め物など、私たちにも舌馴染みのある食事も多く食卓に並びます。

ポンペイ島コロニアの市場
マングローブ林に生息するカニ

その他の見どころ

ミクロネシア連邦には今回ご紹介した以外にも、童話の世界のような絶景が広がる無人島「ジープ島」や、現代に至るまで巨石を貨幣として用いている「ヤップ島」など、独特の景観や風習に触れることが出来る島が数多くあります。直行便こそ就航していませんが、日本からグアムまでが約3時間半、グアムからチューク州までは約2時間(乗継時間は除く)とフライトの所要時間は短く、日本とは時差が1~2時間(島により異なる)と非常に少ないため、乗り継いで行く東南アジア諸国と同じくらい近い国、といった体感があります。実は日本と近くて深い繋がりのある国・ミクロネシア連邦。美しい海と温かい人が暮らす島を是非訪れてみてはいかがでしょうか?

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