「旅人が旅をやめる国」南太平洋の秘境・バヌアツ共和国|旅行記

written by:株式会社トラベルファクトリージャパン 小松崎歩様

バヌアツ共和国の名を初めて聞いた時、「アフリカ大陸ですよね?」と真剣な顔で答えてしまいました。今思うと、どうしてそんな勘違いをしたのだろうかと思いますが、私と同じことを思った人は少なくないはずです。一度は耳にしたことはあるけど、一体どんな国で、どこにあるかもわからない。今回はそんな知る人ぞ知る『南太平洋の秘境・バヌアツ共和国』をご紹介します。

バヌアツ共和国とは

バヌアツ共和国は南太平洋に浮かぶ島国です。別名『旅人が旅をやめる国』『世界一幸福な国』とも呼ばれ、約80の島々からなるこの国は、およそ30万人の人々が独自の文化を大切にしながら暮らしています。日本からのアクセスは、直行便はなく、隣国を経由して行くのが主流で、ニューカレドニアからは約1時間、フィジーからは約2時間のフライトという、離島感覚で行ける国なのです。

世界で最も火口に近づける活火山

バヌアツ共和国の代名詞的存在であり、ここでしか体験できないであろうポイントこそ『ヤスール火山』です。タンナ島にあるヤスール火山は、“世界で最も火口に近づける活火山”として有名で、実際にその光景を目の当たりにした私の感想は、「こんな観光地があっていいのか?」でした。噴火と同時に飛び散るマグマは、下手したら当たるのではないかと本気で思ったほど近く、柵もないため、「足を滑らせれば最期……」という思いが何度も頭をよぎりました。しかし、噴火の度に波動を伝えながら、爆音とともに噴き上げるマグマは、地球の息吹を彷彿とさせ、スリルの中にも確かな感動を覚えました。絶景とはまさにこのことです。実際に訪れた人にしか味わうことのできない、一生に一度の体験になりました。

今なお残る昔ながらの暮らし

バヌアツ共和国には昔ながらの暮らしを、今もなお続けている部族が数多く存在します。裸族もその中の一つです。ツアーでも見に行くことができる彼らは、男も女も藁のようなもので作られた、およそ服とは呼べないものを局部に着けています。彼らはもちろん携帯も持たなければ、電化製品も一切使いません。暖かい布団も、娯楽もないですが、私が見た彼らの笑顔は、幸せそのものでした。彼らとふれあい、はしゃぎあうと、自然と笑顔がこぼれる自分がいました。

シャンパンのように煌めくビーチ

バヌアツ共和国には手つかずの大自然が多く残っています。前述の未だ活動を続ける火山をはじめ、信じられないほど透明度の高い川、樹齢400年の巨大な樹、神聖な土地として立ち入りが制限されている島、そしてシャンパンのように煌めくビーチ……。

サント島にあり、シャンパンビーチと呼ばれるこのビーチは、世界のベストビーチにも選ばれたことがあります。観光地化されてしまった有名なビーチとは違って、ほとんど人がおらず、私が訪れた時は6人ほどしかいませんでした。月に一回ほどクルーズ船の観光客が訪れるそうですが、そのほかの日は“独り占め”状態だといいます。美しいビーチは山ほどありますが、それを独占できる場所はそう多くはないでしょう。本当の意味で、身も心も開放できるビーチなのです。

バヌアツが誇るリゾート

ここまで読み進めていただくと、「バヌアツ共和国ってきっと小屋みたいなところに泊まるのでは⁉」と不安になった方もいるのではないでしょうか。実は、首都であり、旅の拠点でもあるポートビラには、多くのリゾートホテルがあり、ビルディングタイプから、バンガロータイプ、日本人スタッフのいるホテルなど、様々なホテルがあります。また、離島にも1島1リゾートや、個性的なリゾートが多くあり、選択肢が多いのも魅力の一つ。つまりバヌアツ共和国はリゾートステイも楽しめる国なのです。そしてそれらは、いわゆる高級ホテルとはまた違う、バヌアツ流の温かなおもてなしや、メラネシア文化を随所で感じられる造りで旅人の心を癒やしてくれます。まるで家に帰ってきたかのようなアットホームな雰囲気や安心感は、この国の文化や国民性が醸し出しているのでしょう。

食事は絶品の一言

バヌアツ人は牛肉の話をすると、必ず「バヌアツ牛が世界一だ!」と言います。100%オーガニックで育てられた牛は、見たことのない大きさの料理となって出てきます。「これは顎が疲れるぞ……」と思いきや、その肉塊は信じられない柔らかさで、顎の負担など微塵も感じないまま、ぺろりと平らげてしまいました。他にも、海産物はもちろんのこと、南国特有のフルーツも絶品です。また、あまり知られてはいませんが、バヌアツ共和国はカカオの産地としても優秀なのです。島ごとに味や風味の異なるカカオで作られたヴィーガンチョコレートは、こちらもオーガニック。バターや生クリームを使用せず作られているため健康にも良いです。つい買いすぎてしまいますが、お土産には欠かせません。

訪れた人を必ず笑顔にする楽園

バヌアツ共和国には、ここではふれることができなかった多くの魅力がまだまだあります。歴史や政治、もっとディープな観光スポットなど、知られていない魅力やおもしろさが山ほどあります。実際に行ってみて感じたのは、「バヌアツ共和国は誰が行っても絶対に後悔することはない。」ということと、「この魅力はなぜ知られていないのだろう?」ということです。私は声を大にしてバヌアツ共和国を推せるし、自信をもって大切な人に勧めたいです。そして、バヌアツ共和国のことをより多くの人に知ってもらいたいのです。実はとても治安がいいことも、国内外の様々な映画の舞台になっていることも、環境問題に積極的に取り組んでいることも、エアーにもランドにも多くの選択肢があることも、知られていないだけ。訪れるどの世代も、どんなグループも、必ず笑顔になれる楽園は、実は思ったよりも近くにあるのです。

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